どろんこあーとのこといろいろ

Menu  doronko  Gallery  Recipe  mail  blog

 
 

神戸市の東はし、下町のちいさなおうちに『どろんこあーと』はありました。1955年から約半世紀にも渡り、ふわふわ先生はここでたくさんのこどもたちを迎え、また送り出して行きました。うんと、たのしく、力いっぱい、いろいろなものを作ったり描いたり、こどもたちは雨の日も、風の日も、週にいちど、どろんこあーとの教室にやってきました。


こどもたちがやってくる時間、玄関についたベルがころころと音をたてます。どたばたと騒がしく玄関を上がると、靴箱に靴を入れて教室に飛び込んできます。

『せんせー今日はわたしがいちばんのり!』ってね。

 

.どろんこあーとのこと

.どろんこあーとのあゆみ

どろんこあーとの入会申込書と一緒に配られていたプリントの内容を以下に掲載します。このプリントは震災後に作成された、最新の、また最後のものです。


どろんこあーとは、子どもの美術教室です。指導の目的は、上手な絵を描かせたり巧みに物を作らせる作品主義ではなく、各々の発達段階に相応しい表現活動に従ってたのしくあそびながら、成長させることです。即ち美術は子どもの人間形成の一つの手段であって、あそびは学習です。その中から子どもは豊かな創造性、感受性、社会性を伸ばします。指導者のすることは、技術を教えるのではなく、子どもたちが神様から与えられている賜物を引き出すことです。子どもたちは一人一人の力で自由にそれを発見します。また集団活動を通じて仲間といっしょに秩序に従うことを体験します。


どろんこあーとは、従来3才から小学校6年生まで、10年間の一貫した指導をしていました。しかし95年の地震以後、幼児クラスは、していません。子どもは、どの時期も大切ですが、最初の3年間即ち幼児期の教育が一番大きな影響を与えるように思います。そして一回一回の積み上げが、人生のしっかりとした土台作りになるのです。子どもたちは発達段階に即してその時期に必要な精神的体験をし、知性と感性のバランスを保って成長します。


どろんこあーとの目指す人間像は、いつもトップを走る優等生ではなく自分らしく生きる人です。それは『いつもあたらしい気持でたのしく与えられた力を出すように努力し機械ではなく、人間の心で感じ、自分の意志で判断して行動する人』です。その根底に在るのは『美しいものを発見し、愛し、よろこび、創り出す』『人の生命も、自然の生命も、物の生命も大切にする』『すべての生命の創造主である神をおそれ、よろこび、敬い、従う』ことです。


どろんこあーとは週一回です。だから、入会されたら少なくても三年間は続けて頂きたいと思います。一回一回の積み上げを大切にしたいからです。現在の教室は公共の場所を借りていますので、決められた時間を守るようにしてください。

どろんこあーとの出来ることは限られています。でもご自分の子どもさんを信念を持って世の中の流れに負けず『目に見えないものを大切にしよう』『時間をかけて育てよう』と思っていらっしゃる方のお手伝いをしたいと考えています。


どろんこあーと 富和 澄子

1945年 終戦(富和先生、ご家族と一緒に朝鮮半島から引き挙げ)

1955年 富和先生、宮武辰夫氏の児童造形論に共感して

      氏の指導方法をとりいれた児童造形教室をひらく

      (当初は決まった場所がなく、移動教室だった)

1955年 西宮市に教室をかまえる

1960年 神戸市東灘区に移転

1995年 阪神大震災で教室が被災 全壊で建物取り壊しとなる。

1997年 御影、五六会館にて教室再開

2005年 最後の卒業生を送り出す。


年号等は多少前後しているかもしれません。はっきりした年号をご存知の方や、上記の他に、エピソード等があれば、ぜひ星の会フォームにてお知らせください。


→ 星の会 近況お知らせフォームへ